Fig'90/9/20未明,常滑港
  [OYCニュース46号より転載]
海面からマストだけ出した沈没艇と沈没は免れたものの大破した艇.

 10数杯のヨットが次々つぶれたり沈んでいくのは,物見高い野次馬にとっては雨風を我慢するだけの価値のある面白い見物だったかもしれません.が,当事者にとっては・・・ たまりません.



 台風で大破した美州の処理について,グループで話し合いがもたれ,「3年半でというのは惜しいけど廃艇もやむを得んナァ」,「修理に数百万円かかるなら美州はあきらめて25フィート級の新艇に替えたほうが,」の声もありましたが,「クラウン乗っとってカローラには乗れん.それにョ〜,車(カミさん)みたいに壊れたら(飽きたら)新しいのに替えりゃエェってもんじゃにゃぁヤロ」.「ゥン,そや,そや」で,修理してカムバックさせようという話しにまとまりました.
 しかし,修理は進水した西浦の日産マリーナ東海に頼むのですが,そこまでの陸送に必要な30フィートクラス・クルーザーを運べる特殊なトレーラーが東海地方にはあまりないことから,ドック入りがいつになるか見当がつかないということなので・・・
「エンジンには問題ないんだから非常用のボート引いて海上走ればえぇガ.万一,浸水がひどぅて艇体放棄ということになったらこれも運命とあきらめて,ボートから敬礼で美州の最期を見送ったろぅ」との提案は「ドラマやな〜」と一笑に付され本気にしてもらえず.


 半年くらいという目論見ははずれ,美州の復活は翌年7月となりました.費用は1GMエンジンから3GMに乗せ替費150万円を含めて約570万円也.
 エンジン交換により,水上スキーが可能なほどパワーアップしました.
 機走ならたいていの艇に負けません.事実,昨年9月の O.Y.C.安全講習会の時,終わって港へ引上げで軽〜く10杯ほどゴボウ抜き.愚息-2がティラーを握っていましたが,セーリングと違って誰がやろうと速いもんは速い.

余談安全講習会
 この時の安全講習会では金髪のメリーちゃん人形相手に人工呼吸の実習もやりましたが,「コラ吸いついたらアカン」の声が・・・
 O.Y.C.ニュースに載ったこの時の写真を見た愚妻は,「間の抜けた顔して〜,隣の子供は賢こそうなのにィ」
余談O.Y.C.パーティ
 愚息-2は昨年末の O.Y.C.忘年パーティの椅子取りゲーム*で自分より大きい子を相手に正々堂々の勝負で優勝.また,大人子供全員で50円玉を賭けたジャンケン勝ち抜きゲームでも優勝して100個余りを一人占めして,帰りの車中は上機嫌でした.
 けど,小学3年生のガキにこんなあぶく銭稼ぎ覚えさせてえぇんかいナ.

* この賞品(毎年恒例O.Y.C.会員手作りの大凧)を見ると良い子も悪い子も目の色が変わる.

 美州がドック入りしたその期のボーナスは,修理費の分担金であらかた消えました.
 「レイゾウコ〜? まだ使える.セイカツヒ〜? 美州は生きるか死ぬかだ,耐え難きを耐えてくれ.」に対してカミさんは何も言いませんでした.
 ソ,聞く耳持たんヤツに何言ってもしょうがないし.無駄な口出し,余計なお世話ってもんヨ.---これが我が家における夫婦円満のひけつデス
 ただ,代わりにしゅうと殿が説教じみたことをゴチャゴチャと・・・
 一応神妙に聞くカッコだけはしておきました.But,どんなに説得力あるご意見も遊び人の耳には,From right To left.「マァ天災ですから」
 翌'91年11月には事故で車をクッチャクチャにして,この時もしゅうと殿からゴチャゴチャと・・・
 これは確かに人災です.けど,修理費は一月近い代車費用を含めて全額事故相手に出してもらったから家計的には何の負担もかけてないっす ---で,「ハァ,ハァ」と聞きおくだけのハンセ〜イ.

 ヨットにも自動車の車両保険に該当する,艇体の損害をカバーする保険があります.
 ただ,台風や洪水,高潮被害の適用には航海中か艇庫保管,業者寄託を条件とするので,この美州の受難に関してはペケでした.風水害危険担保特約を付けることによりこの条件外の台風被害もカバーされたのですが,O.Y.C.では安全度の高い鬼崎漁港を母港としているという安心感もあって,この特約を付けていた艇は少なかったようです.
 この'90台風19号来襲時は鬼崎港が護岸工事のため一時的に常滑港に移動,係留していて,工事完成で鬼崎へ戻る矢先の出来事でした.鬼崎港にいたO.Y.C.所属10数杯は全くの無事で明暗を分けました.
 美州のメンバーが保険について詳しく知るようになったのもこの事件以降です.これを事前に知ってたら,あの時も美州に乗り込んで一晩台風と闘っていたかも.---航海中という解釈になるから.
 けど,「生命保険少ないやから無駄死にせんといて」と必死で止める妻子を振り切ってまで,命を懸けるのはちょっと・・・ やるなら水野さんでしょう,ヤッパリ.


 記:Oct.-1995